bu090218
何年か前の夏、T県のPカントリークラブのオープンコンペでで会った男。

普通の人間とはちょっと違う、いかにも遊び慣れた風な雰囲気を漂わせてパットの練習をしていた。
年の頃は60は過ぎているだろう顔つき、しかし長い真っ白な髪の毛を頭の後ろで一つに結び、なんだか飄々とした素浪人の風情さえある。

顔だけ見ていると明らかに老人に近い年齢だと感じるんだけれど、体つきが顔と合っていない。
一件細身だけど、半袖や短パンから見える手足は筋肉がくっきり分かれて見えて、何かの運動をずっと続けているだろう事が想像出来る。

...そして、その男がベルトをゆるめてシャツの乱れを直したとき、その男の腹が6つにキッチリと割れているのが見えてしまった。
「なんだ! あの腹筋は!」
思わず自分の腹の肉を掴んでみると...そこには、腹筋なんか見えやしない、電話帳の厚さの贅肉が(泣)。

偶然同じ組となったその男に、年を聞いてみると、なんと66才!
「な、何でその年でそんなに腹筋が...」と思わず聞いてしまう。

「いやあ、毎日泳いでいるんですよ」「マスターズ水泳に出ているもので」
...一日に何キロも泳いで、マスターズ水泳の競技で日本や世界の大会に出ている人だった...
なんでも、その世界では何時も上位入賞する有名な人らしい。
そのためか、後で風呂でも見たけど、全身余分な贅肉全く無し!
彼が風呂場で歩いていくと、若い人達も思わず全身見てから後ろに下がる。
...俺だって、30代までは裸になると腹筋さわりに来る奴がいたんだけどねえ...いまじゃ悲しいビール腹。
70近くまでその腹筋って、どうよ!
ひょっとして、ゴルフのためにもあの方が良いのか...?

「私は、まだまだゴルフを楽しむつもりですよ」「この前、全部測って、あと10年使えるクラブを注文したばかりですから」
「身体の若さには自信ありますから、もっと上手くなりますよ」
うん、気持ちも青年だ...身体も柔らかいみたいで、肩も身体も良く回る。
フィニッシュまできちんと回るし、遠くから見たら30-40代にしか見えないだろう。
...飛距離は、俺の方が50ヤード以上飛んだけど...どうするんだ? 俺。

腹筋復活しても、もてるようになるとも思えないし(いや、もててドーするんだ、今更)、腹筋維持するためにまた節制重ねて頑張る根性(旨い酒も飲まずにか?)あるわけないし...腹に触るとちょっと腹が立つけど、それが俺の人生ってことだ(あーー、でも、こんな結論でいーのか? 俺)。


ああ、頭の中で「俗物には俗物の楽しみがあるんだから...」なんて、言い訳してる声がでかくなる。