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Rさんは、「しけたギャンブラー」だって、自分を自嘲気味に笑っている。
別に「賭けゴルフ」をやるギャンブラーなんて意味じゃあ全然ない。

3月から5月くらいまでは週一回はゴルフに行っていた。
でも、7月からはあまり行けなくなって、9月過ぎのゴルフシーズンに入ってもゴルフに行くことができない。
原因は、ギャンブル...といっても、あのパチンコ。

一昨年から給料は全く上がらず、ボーナスも減り、それなのに子供たちや何やかやと支出は増えている。
当然切り詰めなくてはやっていけない...彼の使える金も半分くらいに減った。
熱中していたゴルフも、練習場に行く数を減らし、ラウンドするのもなるべく安いコースを探し、早朝や夕暮れのゴルフを探し...それでも昨年は月に4回は行けなくなった。

そんなときだった...昨年の暮れに同僚とフラッと入ったパチンコで大当たりをとった。
「バトルもの」というらしく、一回勝つと次から次へと勝ち続け、負けるまでやって3時間...換金すると10万近くの金を手にしていた。
「ああ、これでゴルフができる!」..飛び上がりたい思いでその金を懐に入れ、その月はあまりプレーフィーの安くないコースも含め、5回もコースに行けた。
「やっぱり、金があるといいゴルフ場でできるなあ..」としみじみ思ったそうだ。

この時「そうだ!少ない小遣いもこうやってパチンコで増やせば、もっといろんなゴルフ場に行ける」と、どこかでそう思ってしまった。
もちろん「ギャンブルで勝ち続けることなんかできない」、くらいは知っていたから週一回以上はやらなかった。
そして、それから3ヶ月あまりは勝ったり負けたりを繰り返しながらも、運良くプラス状態が続いて「俺にはギャンブルの才能があるのかも」なんて気さえしていた。

おかしくなったのは、そのあとから。
それまでは「バトルもの」ってやつで当たると、必ず7回から10回、多いときには20回も連続して当たっていたのが、当たってもすぐに負けるようになった。
次に勝つ確率が80パーセントを超えるという機種なのに、せっかく当たっても1回とか2回で終わってしまう...当然プラスにはならずにマイナスが増えていく。
「おかしい」「こんなはずでは」という気持ちで熱くなってしまい、パチンコをやる回数が増えた。
そのうちに「当たる」ことも少なくなった。
へそくりを取り崩して入れ込んだあげく、ゴルフに行く金なんてどこにもなくなった。

それからは、給料日を待ちこがれて、小遣いが入るとすぐ(前のように、月4回のゴルフがやりたくて)パチンコ屋に直行するけれど、結局やられる日々が続いている。
「パチンコをやめて、その金で安いゴルフ場に月に2度くらいでも行けばいいのに」と頭ではわかっているのにやめられない。
「取り返したい」なんて思っているギャンブルは勝てっこない、ともわかっているのに。
せめて、サラ金から金を借りたりしてのパチンコは絶対しない、とだけは肝に命じているけれど...


「こんな小さな玉よりも、もう少し大きな球に燃えていたのになあ...」なんて、自嘲気味に煙草を吹かしながら、今日もRさんはパチンコ屋に行っている。

もう三ヶ月も前から、一度もゴルフに行けていない。