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始めた当初はこの数字じゃあなかったんだそうだ。

かなり前に、あるオープンコンペで一緒になったSさんは75歳。
未だクラブハンデは13を維持しているんだそうだ。
一番やっていた時でも「やっとシングル程度でした。」

昼食をとっている時に、スコアカードの表紙のところに「657」という数字を書いているのに気がついた。
その数字の意味を訪ねた時にSさんが言ったのが「あと二つなんですよ。」
「あとふたつ」の意味が分かったのは、風呂場でその会話の続きをしたとき。
「関東地方のゴルフ場の数です。」
「ここが657番目で、あと回ってないのは2コースだけになりました。」

...60歳で退職をした時に,好きなゴルフをするにも何か目標が欲しいと考えたんだそうだ。
「競技でいい成績というのも私には無理と判ってたし...」
「ただ目的も無くゴルフをするのも非常にもったいないし...」
「それで,関東地方のゴルフコースを全部回ってみようと思い立ったんです。」

...15年で657コース。
恵まれた健康と財力がなければ、普通の人にはまず不可能な数字。
それに、たとえ財力と健康に自信があったとしても、ずっと気持ちが切れずに続くだろうか?
「全コース」と言うからには、ショートコースを除いた18ホール未満のコースだって含まれる...9ホールのコースや、12ホールのコースも回るということ。

普通の人がこれをやろうとすると、まずぶつかる壁が「名門コースのプレー」。
名門とか超名門と言われるコースを回るためには、紹介あるいは同伴してくれるメンバーがいなくてはダメだし、誰か一緒にプレーしてくれる人だって必要になる。
Sさんは、多分そうした人脈には恵まれた立場の人だったんだろう。

それに、評判の良いコースや近いコースならまだいい。
そういう名門コースを回る間に、荒れた河川敷のコースや荒れた倒産間近のコースを回ったり、とんでもなく遠いコースや、アップダウンが半端じゃないコースも回る訳だ。
冬の寒さや夏の暑さだって関係なく回らなければそれだけの数をこなせないし、体調が悪い時だってあるだろう...それを平均して週1は最低回る生活を15年続けて来た結果が(途中で新設コースが増えて数字も多くなったんだって)657コース制覇。

今頃はとっくに659コース全部回り終えているんだろうけれど、まだまだ元気そうだったから新しく「本州全コース制覇」なんて目標でも作って元気にラウンドしているんだろうと思う。

ただ、最近は倒産してしまうコースも多くなって来ているので、これ迄とは違う「時間との戦い」も加わって、目標達成はより難しくなって行くだろうなあ...