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「もうすぐ40代になるんだなあ...」
Mさんは、そんな事を最近度々考えるようになった。
20代の終わりに結婚し、子供が二人、義理の親と同居して10年。

子供が学校に行くようになり、まだ元気な義理の親達の世話の間に、ぽっと空いた時間があるようになった。
10年は、それはそれなりに充実していたけれど、どこかに「このままじゃあ...」という焦りのような気持ちがあり、それがだんだん大きくなって来ているのがわかる。

ゴルフ。
最近よくテレビの中継を見る。
自分には縁のない世界だと思っていたのに、いつの間にか熱心に見るようになった。
奇麗な広い庭園のような場所で、思いっきり白いボールを飛ばしている光景...あんな遊びを自分も出来たら...なんて。
学生の時にも運動は特に熱中してやった事が無いし、運動神経があるかどうかはわからない。
そう言う能力は子供の頃から「人並み」だったので、特に才能はないだろう。
でも、「あれをやってみたい」という思いは強くなるばかり...

ただ、それを現実のものとするには沢山の問題がある。
夫がゴルフをやらないので、自分がゴルフをやりたいとは言い出しづらい。
義理の両親も、ゴルフは「贅沢な遊び」としか思ってないようだし。
...道具が無いから、まずそこからお金がかかるだろう。
ゴルフの事を知らな過ぎるから、ルールの勉強も必要だろう。
ボールの打ち方なんて、練習場に行って先生に教わらなければ出来っこ無いだろう。
一人じゃ出来ないから仲間も必要だし、ウェアも靴も...
何からどこから手をつければいいのか、考えれば途方に暮れる。
もちろん、家族の世話も手を抜くわけにはいかないだろうし。

でも、きっと私はゴルフを始めるだろうと思う。
始めるまでの道が果てしなく遠い気はするけれど、今のままでは「このままじゃあ...」という気持ちが絶対に消えないだろうから。

とりあえず今出来るのは「ゴルフ入門」なんて類いの本を読む事くらい。
あまり面白くないし、自分でやってみないとわからない事ばかりなんだけど、とにかく一歩目を踏み出したい。
自分の気持ちは、夫にも近いうちに話してみるつもり。

もうすぐ40代。
今日もMさんは、家事の合間のティータイムにテレビのゴルフ中継を見ている。
そして考える
「このままじゃあ...」


そして考える
「緑のフェアウェイを、現実の私が胸を張って歩いているのは、一体何年後なんだろう...」