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それなりに魅力的な女性が、一人参加でオープンコンペの同じ組になった。
朝、駐車場で私の車の隣に止まったピンクのオープンカーに乗っていた女性だ。
他の男性3人も、それぞれ一人参加の4人。
場所は茨城県のSカントリークラブのオープンコンペ。

結構ハードなコースで、スコアがまとまりにくい。
俺もどうもかみ合わせが悪くて、バーディー獲ると次のホールでダボを叩いたり、オナーになったホールで真っ先にOB打ったりで調子が良くない。
他の人もスコアは似たり寄ったりで、何となくのボギーペースの人ばっかり。

その女性は、自己流でスイングを作ったようで、ちょっと癖があるけどボールを打つのは凄く上手い。
かなりのラウンド数をこなしているように見える。
話を聞くと、会社の仕事絡みでゴルフを覚えた後ハマってしまい、独学で週刊誌やDVDで色々と勉強して、実戦経験を積む為にオープンコンペに参加しているんだそうだ。
いつもは男性と一緒に白ティーでやるんだけれど、このコースは距離があるのでレディースティーからやります、と言っていた。

彼女はティーも違うし飛距離も違うので、必然的に一人で黙々とプレーすることになる。
それにけっこう真面目に...というよりこの組の誰よりもスコアにこだわってプレーしていた。
ハーフが終わると、スコアは男3人は皆似たり寄ったりの45前後。
彼女は、頑張ってた割にはつまらないミスが多く、50を超えていた。

憮然とした顔でテーブルに着いた彼女は、いきなり「生ビール!大ジョッキで!」。

男3人は、
「飲んじゃいけないと医者に言われているから」
「私は酒が飲めません」
「私は午後ちゃんとやりたいので」
で皆コーヒー。

一応、乾杯。

グイッと大ジョッキをつかんだ彼女は、グビッ、グビッとビールをあおる。
そして、口に泡を付けてジョッキをいったん置いた。

「ゲフッ!」

中年男3人、顔を見合わせる。

もう三口...

「ゲフッ!」

目の回りを赤くした彼女は、「彼女以外ここには誰もいない」、といった風情で大ジョッキを飲み干した。
後半のハーフ、顔を真っ赤にした彼女は、コースをたった一人でプレーしているような雰囲気で、真面目に懸命にプレーを続ける。
気合いも情熱も十分感じるプレーだったけど、このコースは今の彼女の腕には難し過ぎた。
男3人は皆90前後、彼女は100を軽く越えてスコアを提出。

パーティーでは、結局誰もなんにも絡まずに、4人とも黙ってウーロン茶を飲むだけだった。

彼女は自分が何も絡まない事が判ると、さっさと席を立ってピンクのオープンカーをブイっとスタートさせ、枯れ葉を宙に舞わせながら颯爽とコースを後にして行った。


中年男3人、
「なんだか...今日は疲れましたね」。